リアサスペンション ロックショックス モナーク を 自分で オーバーホール オイル交換する方法 DIY
- リアサスペンション を 自分で オーバーホール オイル交換
- 必要なもの
- リアサスペンションの分解・清掃方法
- オイルを入れる
- 使用オイル
- エアーを入れる
- ロックショックスの専用エアーバルブアダプター
- OHの結果
リアサスペンション を 自分で オーバーホール オイル交換
RockShox Monarch Plus RC3 DebonAir
マウンテンバイクのリアサスペンション(ロックショックス モナーク プラス RC3 デボネア)が、ストロークする際少し引っ掛かるような感じがするのと、エアーを噛んだ音がするので、自分でオーバーホール(オイル交換含む)してみた。
必要なもの
オーバーホールに必要なものは、オイル、工具、Oリングシールキットだが、今回、すぐにオーバーホールしたかったことと、Oリングシールキットが結構高かったため、Oリングは再利用してみることにした(どうせ分解するのであれば本当は全て交換した方が良いが)。
注意しなければいけないのが、IFPリザーバーにエアーを入れるために「ロックショックス(モナーク)エアバルブアダプター」(1500円程)という専用アダプターが必要だ。
そして、使用オイルだが、本来は、ロックショックス純正(現在はマキシマ製を純正使用しているらしい)を使用するのだが、ちょうど、以前、「セロ− 250」のサスペンションカスタムで使用した、「テクニクス(TECHNIX)TGRフォークオイル」の在庫があったので、今回はそれを使用した。(保証は切れているし、粘度が同じだったため、自己責任で使用)
それでは、オーバーホールの方法を説明していくが、結構きつくしまっている部品もあるため、快適に作業するためには、万力がないと厳しいかもしれない。
リアサスペンションの分解・清掃方法
まずは、リバウンドダイアル(ウサギ側にいっぱいに回す)、コンプレッションレバー(MINにする)を一番開放した状態にする。
サスペンション上下の、(自転車に取り付ける際ボルトを通す穴に付いている)アイレットは、万力にしっかり固定できるので外した方が良いが、外せない人はそのままでも良い。
外す方法は、専用工具で抜き取るが、自分は専用工具は持っていないので、アイレットの左右に付いているリングを手で外し、万力を使用して、アイレットの片方だけ万力からズラして、万力を締め付けることにより、アイレットを押し出す。
あとは傷がつかないようにチューブの切れ端等で保護してプライヤーで引き抜いた。
両側のリングとアイレット、引き抜いた後の穴をパーツクリーナーで掃除しておく。
メインのエアー圧を全部抜いてから(シュレーダーバルブの真ん中の突起を押し込むとエアーが抜ける)、エアー注入口のシュレーダーバルブを取り外す。
(米式バルブ脱着工具で左に回せば外すことができる)
万力にサスペンションを固定し、上の写真のように小さなマイナスドライバー等で、Oリングを外す。
Oリングを外したら、エアカンスリーブに、滑らないようにチューブの切れ端等を巻いて、手でエアカンスリーブを捻りながら引き抜く(ネジにはなっていない)。
エアカンスリーブを引き抜くと、このようにエアカンが見えるようになる。
次にこのエアカンを外すのだが、しっかりとねじ込まれているため流石に手では外れない。
ベルトを巻き固定して、エアカンを外す専用工具があるようだが、自分は持っていない。
仕方がないので、傷がつかないようにチューブを巻いて、口が大きく開く「ウォータポンププライヤー」で左回りに回してエアカンを取り外した。
中からエアーピストンが出てくるので、ウエスで古いグリスやオイルを拭き取り掃除する。(パーツクリーナーを使用する場合は、ゴムを侵さないものを使用すること)
全てのOリングを交換するのであれば、シャフト先端のナットを外し、エアーピストンを外し、分解する必要があるが、今回はOリングの交換はしないため、ここは清掃だけにした。
エアカン側も、細いマイナスドライバー等で、傷をつけないようにシール類を取り外し、エアカン本体と、外したシール類をウエスとパーツクリーナーで綺麗に清掃し、グリスを塗ってシールを元に戻す。(本当はシールは新品に交換した方が良い)
自分は、スライドする部分には「スリックハニー」や「レスポチタンスプレー」を使用している。
スライドしないところは「シリコングリス」でも良い。
次は、IFPリザーバーのエアーバルブキャップを、エアーバルブ脱着工具を使用して取り外す。
キャップを外すと中にシュレーダーバルブがあるため、真ん中の突起を押してエアーを全て抜く。(今回、シュレーダー バルブが緩んでおり、エアーが抜けてしまっていた。これではサスペンションの性能は十分発揮できていなかったと思われる。)
エアーを抜いたら、シュレーダーバルブを取り外す。
サスペンション本体を上下反対にして写真のように万力に挟み直す。
17mmスパナでシールヘッドエアピストンをダンパーボディーから取り外すが、ここが一番強くしまっており、緩めるのに苦労した。
スパナや写真のモンキーレンチでは緩めることができなかったため、しっかりと万力でダンパーボディーを固定し、写真のものより大型のモンキーレンチを使用してなんとか緩めることができた(左回りで緩める通常のネジ)。
ダンパーボディー内の古いオイルを捨て、パーツクリーナーで清掃する。
こちらも綺麗に清掃して、グリスアップしておく。
本体を万力に固定し、IFPリザーバーの底に付いている、IFPリザーバーキャップを手で押し込み、固定クリップをマイナスドライバー等で取り外す。
ここで、(写真を撮り忘れたが)「ロックショックス(モナーク)エアバルブアダプター」(1500円程)という専用アダプターをIFPリザーバーキャップにねじ込み、引っぱると、キャップを外すことができる。
IFPリザーバーキャップを取り外すと、中に IFP(インターナル フローティング ピストン)
が見える。
27mmレンチでIFPリザーバーを外す。
IFPリザーバーから、コンプレッションアッセンブリーを引き抜き、 IFP(インターナルフローティングピストン)も中から押し出し取り外す。
今回は、ここで出てくるOリングも全て無交換で清掃のみ実施
IFPからブリードスクリューを星型レンチ(トルクスレンチ)で取り外す。
IFPにグリスを塗り、35mmの深さまで押し込む(細い定規やノギスで測る)。
反対側に、清掃してOリングにグリスを塗ったコンプレッションアッセンブリーを取り付けたら、本体にIFPリザーバーを取り付ける。
オイルを入れる
万力にダンパーボディーを固定する。
使用オイル
ここで、オイルを入れるのだが、今回は最初に記載したとおり、自宅に「セロ− 250」 のサスペンションカスタムで使用した、「テクニクス(TECHNIX)TGRフォークオイル」の在庫があったのでそれを使用した。
本来使用する、ロックショックス純正(現在はマキシマ製を純正使用しているようだ)オイルの粘度は「3Wt 14cst/40℃」で、「テクニクス TGR 5W」も丁度同じ粘度だったため性能的に問題はないと思われる。
ダンパーボディーに、満タンになるまでオイルを入れる。
本体のシールヘッドエアピンストンを一番先までスライドさせ、ダンパーボディーに取り付ける。
(この時、オイルが溢れるので、ダンパーボディーの外側にウエスを巻いておくと良い)
本体をひっくり返して万力に固定する。
ダンパーボディをゆっくり一番下まで押し下げる。
IFPリザーバーに満タンになるまでオイルを入れ、ゆっくりダンパーボディーを上下にストロークさせ、オイル内のエアーを抜く。
(気泡が出なくなるまでストロークさせる)
ダンパーボディーを一番上(シャフトが一番伸びた状態)にして、IFPにブリードスクリューを取り付ける。
(写真を忘れたが)この状態でダンパーボディーの一番上にある、ブリードスクリューを取り外し、ゆっくりダンパーボディーを押し下げていくと(ストロークさせる)、その穴からオイルが出てくるので、その状態でダンパーボディーにブリードスクリューを取り付ける。
再度、IFPブリードスクリューを外し、IFPリザーバーに満タンまでオイルを入れる。
ゆっくりとダンパーボディーを一番上まで引き上げ、オイルに沈んでいるIFPに、IFPブリードスクリューを取り付ける。
IFPリザーバから余分なオイルを捨てて、ウエスで綺麗に拭いておく。
エアーを入れる
IFPリザーバーキャップにシュレーダーバルブを取り付ける。
IFPリザーバーにIFPリザーバーキャップを取り付け、クリップで止める。
IFPリザーバーに、「ロックショックス(モナーク)エアバルブアダプター」(1500円程)という専用アダプター(写真の赤い部品)を取り付ける。
エアバルブアダプターにエアーポンプを接続し、250psiまで空気を入れる。
空気を入れたら、エアーバルブアダプターごと、IFPリザーバーからポンプを取り外す。
エアーバルブキャップを取り付ける。
トップアウトバンパー(緑のリング)にグリスを塗って取り付ける。
シャフトやピストンにもグリスを塗っておく。
エアカンの内側に、15W50のオイルを0.5ml塗り、エアカンをピストンに被せる。
本体をひっくり返して、更に 15W50のオイルを0.5mlエアカン内に上部から入れる。
(15W50のオイルもピストンの潤滑目的だけなので、ロックショックス純正ではなく、丁度在庫があった、「カワサキ フォークオイル G15」を使用した。)
オイルを入れたら、外した時と同様に、エアカンにチューブを巻いて、ウォーターポンププライヤーでしっかり締め付け取り付ける。
エアカンに付いているOリングにグリスを塗って、エアカンスリーブを手で取り付ける。
エアカンスリーブを取り付けたら、初めに外したOリングを忘れないように取り付ける。
ストロークインジケーターリング(赤いOリング)を取り付ける。
メインエアーを入れる口に、シュレーダーバルブを取り付け、エアーを入れる(エアー圧の本調整は自転車に取り付けた後、自分の体重にあったサグになるよう調整しよう)。
ロックショックスの専用エアーバルブアダプター
オーバーホールには、ロックショックスの専用エアーバルブアダプターを購入する必要があったが、結構簡単に DIY することができた。
OHの結果
Oリングの交換をしなかったため心配していた、エアー漏れ、オイル漏れもなく、乗った感じは、作業前に感じていたストローク時の引っ掛かり感や、エアーを噛んだグシュグシュ音もなくなり、大変スムーズに動くようになった。
ストローク時の引っ掛かり感は、おそらくオイル劣化やグリス切れにより、内部のピストン(IFPやメインピストン)がスムーズにスライドできなかったのではないかと思われる。
やはり、本来の性能の維持と、サスペンションの寿命も伸びるため、定期的なオーバーホールは必要だ。
フロントサスペンションの「FOX 36 FLOAT Grip2」 もそのうちオーバーホールする必要があるので、その時はまた作業方法をアップしようと思う。
(FOX 40 はやったことがあるが36はまだやったことはない。)