ヘルメット を 自分で 塗装する方法 塗装修復 DIY
自分で塗装する方法 塗装修復
かなり古いトライアルヘルメット(SHOEI TR-2 と思われる)の塗装が劣化して酷い状態(最初の写真)になっていたので自分で塗装した。
塗装の方法
塗装の方法は、簡単に順序を説明すると、下地を整える→(必要があれば)サフェーサーで下塗り→ サフェーサー塗装面を整える→ 本塗り→(必要があれば)塗装面の修正→(必要があれば)クリア塗装→(必要があれば)最終の塗装面修正 と、このような感じとなる。
サフェーサー(プラサフ)は、下地が荒れていたり、まだ塗装前で下地のプラスチックや金属が出ている場合、下地より本塗りの塗装の色が薄い場合等は必ず塗装した方が良いが、今回は元々の塗装を全て剥がすわけではないし再度ブラックで塗装するため、なしで良いと判断した。
先ずは、ヘルメットのバイザー等のパーツを取り外し、劣化した塗装を荒めの耐水紙やすりで水をつけながら削っていく。
ある程度大きな傷や、劣化した塗膜がなくなったら、徐々に耐水やすりの番手を細くしていき、最終的には1000番程度の細かいやすりで、表面から傷が消え滑らかになるまで整える。
下地処理が終了したら、塗装が付いてはいけない場所をマスキングテープと紙などで養生する。
はじめに説明したとおり、今回はサフェーサー塗装は省いた。
次に本塗りをするが、本塗りの前に塗装面に油分が付着しているとうまく塗装できないため、必要であればシリコンオフ等で脱脂しておく。
塗装する際は、気温の低い時、湿度が高い時、温度が高すぎる時は失敗する可能性が高くなるため、やめた方が良い。
使用する塗料はホームセンター等に売っている普通のラッカースプレー塗料を使用した。
実施した時期は7月の終わり頃で、猛烈に暑い天気の良い日に塗装したが、これが失敗だった。
塗装のコツ
塗装の方法は、微妙なテクニックなので文章にするのは難しいが、一度に厚塗りしようとせず、スプレー缶を近過ぎず離れ過ぎずで、一定の距離を保ちながら一定のスピードで移動させ、薄く数回塗装する。
スプレーが近過ぎたり、同じ場所に厚塗りすると塗料が垂れてしまうし、塗料の吹き付けが少ないと、表面がザラザラになり艶が出ない。
コツは、塗装吹き付けをしている際、塗料が垂れるか垂れないかの寸前で、表面がツヤっとテラテラの艶が出る瞬間があるが、そこで吹き付けをやめる。
プロが使用するような、コンプレッサーとスプレーガンを使用すれば、塗料の粘度や塗料の噴出量等が調整できるため、知識と技術があれば環境に合わせた調整ができる。
塗装失敗の原因
塗装後、写真のように見事に塗装面が「ゆず肌」と言われる状態となり失敗した。
ゆず肌はシンナーの量が足りず、塗料の濃度が高くなると起こりやすく、塗装面がみかんの肌のようになってしまい艶が出ない状態となる。
今回、なぜこのようになってしまったかというと、猛烈に暑い夏の炎天下での作業だったため、気温が高過ぎ塗装面の温度も上がり、スプレーで塗装した途端にシンナーが揮発してしまい、塗料の濃度が高くなったからだと思われる。
やはり、塗装する環境は大切だ。
しかし、ここで諦めることはなく、修復できるので安心して欲しい。
失敗した塗装の修復
失敗した塗装の修復方法は、十分に乾かした後、下地処理をしたときと同様に、耐水紙やすりで表面を整える。
(粗い番手から最後は1000番程度の細かいやすりで整える)
表面が滑らかに整ったら、再度、本塗装をすれば良いが(温度、湿度等に注意)、ゆず肌が酷くかなり削る必要があったのと、元々のひび割れの跡などが薄く残ってしまったので、今回は下塗り剤(サフェーサー)を塗装した。
サフェーサー(プラサフ)は塗装した後すぐに乾燥し、耐水ペーパーで表面を整えるのも簡単なので、やはり下塗りとしてサフェーサーを塗った方が仕上がりは良くなる。
サフェーサーで塗装した表面が滑らかに整ったら、本塗装を実施する。
今回は、あまり暑過ぎない日に塗装面も暑くならないよう注意して作業した。
先に記載したとおり、この本塗装で艶が出せれば一番良い。
流石に今回はまあまあ上手くいったが、少しゆず肌と、垂れが起きてしまった。
でも大丈夫、また簡単に修復は可能だ。
仕上げ
ゆず肌や垂れの修正は、十分乾燥させた後、耐水紙やすりで表面が滑らかになるまで削り(最後は1200番位まで)、その後はコンパウンドで更に表面を磨き上げていく。
(これも荒目のコンパウンドから最後は鏡面仕上げのコンパウンドで仕上げる。)
今回は、コンパウンドで磨いて完成させる前に、塗装面の保護と更に深い艶を出すために、クリア塗装を塗ることにした。
クリア塗装は、透明な塗料を表面に塗ることにより、塗装の保護と更に深い艶を出すことができる(メタリック塗装は、塗装に金属の粉が含まれているため必ずクリア塗装が必要)。
クリア塗装する前に、ゆず肌と垂れを耐水紙やすりで削り取り、1000番の耐水紙やすりで整える。
そしてクリア塗装を実施するが、塗装方法はメインの本塗りと同様の方法で塗装する。
ここで失敗したら、今までと同様に修正すれば良い。
クリア塗装を垂れるか垂れないかギリギリのところまで吹き付け、良い艶を出すことができた。
しかし、少し垂れてしまった箇所があったので、そこは、十分乾燥させた後、耐水紙やすりで整え、荒めのコンパウンドから徐々に細めのコンパウンドで鏡面仕上げまで磨いて完成だ。
コンパウンドはウエスにつけて、塗装表面に擦り付け磨けば良い。
最終仕上げで使用する鏡面仕上げ用(極細)コンパウンドは、専用のものも売っているが、コンパウンド入りのワックスや水垢とり等でも代用できる。
今回は自宅にあった水垢取りワックスで代用した。
(この商品はコンパウンド研磨とワックスがけが同時にできて便利だ)←最後にリンクあり
塗装が完成したので、外していたバイザーを取り付けるのだが、バイザーとヘルメットの間に挟むゴムワッシャーが劣化して潰れ、ちぎれていたため、自転車のチューブの切れ端を切って作成した。
一回で成功せず、修正しながらの塗装だったが、最終的にはこんなにツヤツヤになった。
このように塗装は失敗しても修正が可能なので、思い切って自分でやってみても良いだろう。