セロー 250 フロントサスペンション 強化 プリロード (イニシャル)をかける 自作カラー(DIY)
- セロー 250 フロントサスペンション プリロード強化 自作カラーDIY
- フロントサスペンションをテクニクスチューンした結果
- プリロード(イニシャル)とは
- セロー フロントサスペンション サグ調整(プリロード調整)方法
- 自作カラーの直径は
- 自作カラーの取り付け方法
- 自作カラーでサグはどのように変化したか
- 《レビュー》
- もう少し改良
- さらに改良
セロー 250 フロントサスペンション プリロード強化 自作カラーDIY
フロントサスペンションをテクニクスチューンした結果
フロントサスペンションを、テクニクスのハードスプリングとテクニクスのオイル(5W)に交換して山で遊んだ感想は、ノーマルに比べ動きが良くなったため、衝撃吸収性も上がり、障害物に弾かれる感じは少なくなった。
リバウンドスピードも上がったため、フロントアップ等のアクションもやりやすい。
スプリングレートが上がり、ノーマルに比べればグタグタ感は改善されたが、まだ若干柔らかい感じがする。
自分はトライアル的な乗り方がしたいので、もう少しこしがあり、リバウンドスピードも速くして、シャキッと戻る感じにしたい。
そのためには、オイル粘度を更に柔くして、リバウンド(戻り側)スピードを上げる方法がある。
オイル粘度が下がるとリバウンド(戻り)が速くなるが、コンプレッション(縮み側)も弱くなるので、コンプ側もどうにかしたい。
しかし、セローにはコンプレッション調整機能はないため、更にスプリングレートを上げる必要がある。
しかしそんなスプリングは販売されていないと思うので、今のスプリングにプリロード(イニシャル)をかけて初期沈み込みを少なくする作戦で行くことにした。
「ZETA フロントフォークトップキャップ イニシャルアジャスター」という商品も販売されているが、とりあえずスプリングの上にカラーを入れれば同じことなので、カラーを自作してみた。
プリロード(イニシャル)とは
ここで少しプリロード(イニシャル)の説明をすると、「しっかり感を出すためにイニシャルをかける」と表現したが、イニシャルをかけてもスプリングレートが上がるわけではない。
負荷がかかっていない状態のスプリングにイニシャルをかけると(最初から少しスプリングを縮めておく)、イニシャルをかけた分だけ、強い力を加えないとスプリングが縮まなくなる。(そのためスプリングレートが上がった様に感じる)
適正なサグ(空車状態から、乗車した時にサスペンションが沈み込む量)をとる時に、サグが大きすぎればイニシャルをかける。
サグが小さすぎればイニシャルを抜いて調整する。
オフロードバイクは、ノーマルでフロントサスペンションにプリロード(イニシャル)調整機能が付いているモデルはほとんどないので、あまりにもサグがずれている場合はスプリング交換や突き出し量などで調整するが、元々ストロークが大きいため、あまり神経質になる必要はない。
セロー フロントサスペンション サグ調整(プリロード調整)方法
セローにもプリロード調整機能はないので、最初から少しスプリングを縮めた状態(イニシャルをかけた状態)にするため、スプリングの上部に入れるカラーを自作した。
先に紹介した「ZETA フロントフォークトップキャップ イニシャルアジャスター」に交換すれば、最大10mmまでプリロードをかけることができるが、プロのエンデューロレーサーがセロー250でこの商品を試した記事を見ると、(テクニクス ハードスプリング使用)最大プリロードをかけてもあまり変化が感じられず、この「ZETA調整式トップキャップ」とセロー純正のカラー(ZETA付属のカラーより約16mm長い)の組み合わせにすると良い感じだったと記載があった。
これはプロのライダーが、エンデューロレースをレーススピードで走った感想なので、決してZETAの商品が意味がないということではない。
十分サグ調整等に使用できる商品と思われるので誤解しないで欲しい。
エアー抜き機能も付いているし、簡単にプリロードを変えることができるようになる。
ということは、ノーマルトップキャップ+ノーマルカラーに26mmのカラーを追加すれば、ZETAトップキャップ(10mm最大プリロード)+ノーマルカラーの状態と同じになる計算だ。
しかし、自分は体重は軽めで、使用目的もエンデューロの高速域を強化する意味でもないため、エンデューロレーサーと同じ組み合わせでの最大プリロードはやりすぎだと思われる。
そのため気持ち短めの長さ24mmでカラーを作成した(2mmはあまり変わらない感じもするが)
自作カラーの直径は
カラーの直径はどれくらいが良いかというと、セローのノーマルカラーの直径は約29mmなので、当然同サイズが良い。
よく聞く方法は、ホームセンターでこれくらいの径の塩ビチューブを購入し使用するという方法だ。
自分が使用したパイプは何かというと、マウンテンバイクのサスペンションのコラムチューブ(サスペンションを取り付ける際、フレームに入る部分のチューブ)。
自分でマウンテンバイクにサスペンションを取り付けた時、切断して取っておいた切れ端がこんなところで役に立った。
コラムサイズは一般的な 1-1/8 サイズ、直径28.6mmでちょうど良いサイズだった。
コラムチューブは厚さも適度にあり、強度のあるアルミ製なので、軽量で良いものを見つけた。(作成したものは、この記事の最初の写真)
サンダーで切断し、断面をヤスリで整える。
これができればあとはトップキャップを外してスプリングの上部に入れるだけだ。
自作カラーの取り付け方法
バイクは自重でサスペンションが沈んでいるので、写真の様にジャッキでフロントサスペンションが伸び切るまで車体を持ち上げておこう。
こうすることによって、トップキャップにスプリングが押し付けられなくなるため、トップキャップの脱着とカラー挿入作業がしやすくなる。
ハンドルバーを外しておくと作業がしやすい。
トップキャップを外す前に、10mmレンチでトップブリッジ横のボルトを緩める。
19mmのレンチでトップキャップを取り外す。
トップキャップを外してジャッキを少し下げるとノーマルカラーが出てくる。
(この作業は写真を撮るためにカラーを飛び出させただけなので、特に行う必要はない。)
ノーマルカラーはジャッキをあげてサスペンションを伸ばし切った状態にすると、写真の様にトップキャップをつけた場合ちょうどプリロードがかからないくらいのサイズだ。
ノーマルカラーの上部に、自作の長さ24mmのカラーを入れるとこの状態になる。
ここからネジ山を潰さないように、ソケットレンチ等を使用し上からまっすぐ押さえつけながらトップキャップを取り付ける。
あとは忘れないようにトップブリッジ横のボルトを締めて、ハンドルを取り付ければ作業完了。
自作カラーでサグはどのように変化したか
これでどれくらいサグの状態が変わったかというと、(自分の体重は約60kgで、テクニクスハードスプリング使用)自作カラーを入れる前は、サスが伸び切った状態から乗車した差(サグ)は55mm(フルストロークの約25%)だった。
24mm自作カラーを入れた後は、33mm(フルストロークの約15%)のサグになった。
これはマウンテンバイクダウンヒルだと推奨最低限(速い上級者向け)ほどのサグなので、モトクロスのような使用には良いが、少しやりすぎた感じもする。
《レビュー》
近所(アスファルト)で少し乗った感じでは、思ったとおりしっかり感が出て、オンロード走行では安定感は上がった。
山で乗った感想は良い感じだった。
ノーマル状態のフロントサスペンションではフロントの沈み込みが激しいため、姿勢変化が大きく、フルボトムしやすいため、なかなか攻める気分になれなかった。
テクニクス ハードスプリングに交換後(オイルもテクニクスの低粘度に交換)はスムーズに作動する様になり、スプリングレートも上がったためノーマルよりしっかり感が出た。
しかし、まだ沈み込みが多く、感覚的にはもう少しコンプレッション(沈み側)は硬く、リバウンド(戻り側)も速くしたい感じだった。
今回、スペーサーを入れた結果、やはりしっかり感が上がり、トライアル的な走りをしても、岩の向こう側に降りる時など、今までサスペンションが深く沈むためもう少ししっかりして欲しかったが、確実に踏ん張る感じは高くなった。
ノーマルサスペンションでは、高いところから飛び降りたり、ジャンプ等はやる気が起こらなかったが、これならやる気になる。
エンデューロ的な走り方もしてみたが、フロントサスペンションの性能が上がったため、今までより細かいところを気にせずスピードを上げて突っ込める様になった。
もう少し改良
追記→しばらく乗ってみたが、やはり自作の長さ24mmのカラーで、サグ33mm(15%)はやりすぎ感があるため、カラーを19mmの長さまで削ってみた。
その結果、サグ38mm(17%)となり、少しの違いだが、気持ちしなやかさが戻り良い感じとなった。
これで次回、更に低粘度のオイルを入れてリバウンドスピードを上げ、沈み込みが気になるようなら油面を上げてみようと思う。
合わせてリアのテクニクスサスペンションのセッティングもリバウンドスピードをもう少し上げてみようと思う。
マウンテンバイク用フロントサスペンションのコラムチューブのカットした部分を使用し、自作した 10mmカラー
さらに改良
追記 → セッティングは自分がどのセクションを有利に走りたいかで変わってくるため難しいが、やはり、障害物に弾かれない猫足タッチがよく、カラーを更に10mmの長さまで削ってみた。
その結果、サグ45mm(20%)となった。
この状態は、テクニクススプリングに10mmプリロードをかけた状態で、「ZETAキャップ+ZETAカラー」使用で10mmプリロードをかけた状態と同じだ。
(テクニクススプリング+カラーなし→サグ55mm(25%))
因みに、リヤのサグは推奨のフルストロークの 1/3 となっている。
テクニクスのリアサスペンションはリバウンド調整の範囲が結構あるので、もう少し調整して試してみたい。